2019年9月13日金曜日

電子書籍やってみよっかな

とある老舗出版社と、講義資料の書籍化の話が進んでいたのですが、内容以外の部分で色々と折り合いがつかず、辞退してしまいました。

以前3冊も出版させて頂いた日本評論社さんは、担当さんもごりごりの理工系で、彼と二人三脚で作っていくような進め方で非常に楽しかった。しかし、今回はだいぶ勝手が違いました。本の内容は目次まで、あとはビジネスという感じ。

知らぬ間に関係者が増えていき、最初からの担当さんが板挟み、みたいな流れになっていきました。最後のほうは、俺って出版社の下請け?的な違和感に苛まれつつあったので、円満に辞退できて本当に良かったと思います。

とはいえ、収穫もありました。書籍化に向けて作業してきたおかげで、資料の完成度は格段に高まりました。学生の輪講で大量にバグだししてもらい、さらに同僚にも、大きなバクを発見してもらいました。

ここまで作っておいて、塩漬けするのはもったいないので、キンドル・ダイレクト・パブリッシングあたりで、完全なる自力出版を試してみようかなと思っています。

出版社経由の出版と違って、版を自分で管理できるのが最大のメリット。出版後の訂正も簡単みたい。経験上、大して売れない本に致命的な誤植が発見されると、穴があったら入りたい状態が、絶版になるまで続いてしまうのですが,これが解消できるなら、涙が出るほどありがたい。

あと、ロイアリティも比べ物にならないです。出版社だと8%の印税だが、キンドルだと70%らしい。一桁違うので、その分、ものすごく安く売ることができます。

そうこう情報収集しているうちに、出版業界が上乗せする付加価値って、92%分もあるのかなと疑問に思えてきました。そのなかで出版社の取り分は40%ぐらいらしい。著者の5倍ですね。

昔だったら、手書きの原稿から、連番や相互参照が狂わぬように手作業で版を起こし、本の形にするのは、大変な労力だったと思う。

でも今は、特に理系の執筆者達は、原稿作成にLaTeX等の組版ソフトを使うので、脱稿の時点で、ほとんど完成している。出版社が上乗せするのは、基本、レイアウトと校正だけ?それで、著者の5倍ってすごくない?

きっと、YouTube vs テレビ局 みたいな構図が、出版業界にも押し寄せてくるのでしょう。ていうか、もうきてるのか。

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